空家のままにしておく理由①
「空き家所有者実態調査(国土交通省)」によりますと、空家のままにしておく理由の第1位は、意外にも「物置として必要」という結果でした。
しかし、これは実態を正確には反映していないように思います。
恐らく、自身のものを置いているわけではなく、お亡くなりになったご両親の荷物が、そのまま置かれているということではないでしょうか。
つまり、積極的に空家を活用しているわけではなく、放置されているというのが実態であると考えられます。
第2位は「解体費用をかけたくない」というものでした。これは、実態に合った回答であると思います。
土地・建物の状況にもよりますが、戸建住宅1件を解体する場合、解体費用は概ね200万円から300万円程かかることが多いです。
そんな高額な費用はかけられないから、老朽化して危険な状況となっても、建物の解体はしないということです。
これに関連して、「取り壊すと固定資産税が高くなる」という回答も上位に入っていました。
固定資産税には軽減措置があり、所有する土地の上に住宅が建っている場合、税額が6分の1になります。※各種要件有り。
よって、住宅を取り壊して更地にすると、固定資産税は6倍になってしまいます。
そのため、老朽化が進んで危険な状態となっていても、税負担をおさえるために、あえて取り壊しをしない、という選択をする人が多くなってしまうのです。
しかし、この点につきましては法改正が行われ、建物が危険な状態で放置することに対しては、厳しい措置が取られるようになっています。
法改正につきましては、また後日の投稿でご説明します。